北大東村における文化的景観の保全・活用に関する研究
<概要>
北大東島は、戦前に国内最大規模の燐鉱石の産地として栄えた。1950年に燐鉱山は閉鎖されたが、当時施設の遺構を中心に、独自の景観が形成され、国指定史跡、国選定重要文化的景観として評価されている。
一連の研究は、これらの文化財としての評価に寄与するとともに、今後の整備活用に貢献するものである。
今後は、沖大東島、与那国島、能登島、南鳥島などのかつての国内の産地やアンガウル、ペリリューなどの委任統治領の産地について調査研究を進める必要がある。
<北大東島の燐鉱山遺跡と重要文化的景観>
<収集した文献・資料>
No | タイトル | 発行年 | 西暦 | 編著者 |
1 | 燐鉱事情 | 大正14年 | 1925 | 阿曽八和太 |
2 | 燐酸アルミナに就て | 昭和2年 | 1927 | 阿曽八和太 |
3 | 大東島誌 | 昭和4年 | 1929 | 江崎龍雄 |
4 | 二十五祝賀会誌 | 昭和9年 | 1934 | 大日本製糖 |
5 | 燐鉱 | 昭和15年 | 1940 | 阿曽八和太 |
6 | 沖縄調査報告書 | 昭和26年 | 1951 | 大日本製糖株式会社沖縄調査団 |
7 | 沖繩縣北大東島鑛山 | 昭和8年 | 1933 | 山成不二麿 |
8 | 北大東島に於ける燐酸礬土鑛床 | 昭和10年 | 1935 | 山成不二麿 |
9 | (地図:標題なし) | 大正8年ごろ | 1919 | 東洋製糖 |
10 | 北大東島全図(縮尺六千分の一) | 大正15年ごろ | 1926 | 大日本製糖 |
11 | 北大東島地籍図(縮尺六千分の一) | 昭和9年 | 1934 | 大日本製糖 |
12 | 北大東島建物配置図(千二百分の一) | 昭和16年ごろ | 1941 | 大日本製糖 |
13 | 戦禍ト島ノ近況ニ就テ | 昭和20年 | 1945 | 大東島製糖所 |
14 | 今後ノ施設ト島ノ近況 | 昭和21年 | 1946 | 北大東島出張所 |
<計画・調査報告書>
- 国指定史跡北大東島燐鉱山遺跡整備基本計画, 沖縄県北大東村, 2021
- 国指定史跡北大東島燐鉱山遺跡整備基本計画燐鉱石貯蔵庫先行整備編, 沖縄県北大東村, 2019
- 国指定史跡北大東島燐鉱山遺跡保存活用計画, 沖縄県北大東村, 2019
- 「北大東島の燐鉱山由来の文化的景観」保存計画, 沖縄県北大東村, 2017
- 「北大東島の燐鉱山由来の文化的景観」調査報告書(執筆担当), 北大東村文化財調査報告書 第 1 集, 北大東村教育委員会, 2017
- 北大東島燐鉱山遺跡調査報告書(執筆担当), 北大東村文化財調査報告書 第 1 集, 北大東村教育委員会, 2016
- 燐鉱採掘遺構の保全・再生・活用に関する基礎調査(執筆担当), 北大東村委託調査, 北大東村教育委員会, 2014
<論文・寄稿>
- 文化的景観が地域を元気する:沖縄・北大東島の産業遺構を活かしたしまづくり, 地域再生を考える, wendy, 2019.10
<受賞>
- 公共建築賞・優秀賞(一般社団法人公共建築協会会長表彰),2021
- 都市景観大賞優秀賞,2020